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2019-02-16

小中学生、高校生のトレーニングを考える時の基本

中学生のトレーニングに関して質問をよくされますが、小学生と高校生も基本となる点は同じですのでまとめたタイトルにしました。基本となる点、最も重視すべき大事な点は

「成長期を迎えていなかったら何をやっても大きな伸びは期待できない」

ということです。高校生を入れているのは、高校生でもまだ成長期のピークを迎えていない人は多いからです。誰もが中学生の時に成長期を迎えて成長のピークを迎え、心身が発達するわけではありません。高校3年生くらいになってやっと成長期のピークが来る男子はそれなりに多いです。どれだけトレーニングや食事などを完璧にしても、サッパリ筋肉が増えない、というのはあります。逆に小学生だけれども成長期を迎えピークも来ている、という人もいます。女子に多いわけですが、こうした子と成長期がまだまだの子を一緒にして筋肉を増やすような、心肺機能の発達を促すようなトレーニングを実施したところで、効果が期待できるのは成長期を迎えている方です。そうではない子たちにとっては負荷が過剰であり、苦痛でしかないものになります。もちろん、強くなれると信じてやっている場合も多いと思いますが、そうだとしても成長期という筋肉が、骨が、内臓が大きくなる時期を迎えていなければ効果は微々たるものです。ケガのリスクは高いのにあまり効果は期待できない。成長を抑制してしまうようなことを無理にやらせるよりは、適度な量のトレーニング、技術をメインとしたトレーニングを中心として楽しく過ごしてもらい、身体が本格的に大きくなり始めたら、筋肉が増えやすい状態になってきたなと考えて、そろそろトレーニングを本格化させようか、となれば良いと思います。ですので、小学生や中学生を指導するのであれば、身長の変化というのはかなり丁寧に見ておくべき要素だと思います。急激に伸びるようになってきたら、そこは確実に成長期を迎えていると判断できますので。ただ、遺伝的な要素か何かで身長があまり伸びない子もいますので、そうした子は毛が生えてきたかどうか、というのが判断材料になるかと思います。スネやヒゲの毛などでなんとなくは分かるかと思います。ただ、この辺も毛が少ない人はいるので絶対的な判断にはなりません。ですので、これだけ見ておけば良いということは言えませんが、まずは成長期が来ていなければ何をしても効果は薄い、成長期が来て身体がしっかりとしてくる時に向けて技術的、メンタル的な面を丁寧指導しながら待つ、というのをもっと考えてやっていければ良いのでは、と思います。無理をさせる必要は無いですし、選手にも指導者にも無駄な時間となってしまうので、成長期じゃないし練習は減らしておこう、学校の勉強をしっかりやろう、他の選手の動きを参考に技術を磨こう、という形でアプローチすれば次のステージにおいて役立てられる指導になると思います。

選手にはまだ次のステージがある

という点を意識して、自分のところだけでどうにかしようとせず、伸びる子は伸ばす、身体がまだまだの子はケガをさせないように、苦しくて楽しくないと思わせないようにして次の準備をさせる。そういった指導が出来れば良いと思います。技術的な面も筋力が不足していたら出来ないこともあると思いますので、上手く伸びしろを作ってあげる、気づかせてあげられるのが良いのでは、と。

2018-11-29

上下動や左右のブレが無い安定した走り?

下の直線と上の波線、力を生み出すのはどちらか、と聞かれた場合どうでしょう。


 
速く走ろうとする際に安定したものを求め、上下動や左右のブレが無いのが良いとされますが、人間の本来の動作においては確実に上下動や左右の動きは生じます。それを生み出さないように意識した結果が下の直線。大事なのは上下動や左右のブレをなくすことではなく、それが最も安定した波形に近づくことだろうな、と思う所です。直線の図を見て、力が生み出されているな、と思うことは無いと思いますし。波が生じる結果として力が生じる、というのは感覚的に分かるかな、と。走ることはボールが転がるのとは違う、という基本的な点を思い出せば、きれいな波形を作るイメージの方が良さそうだと理解頂けるかと思います。まぁこの波が正しいのかはよく分からないところですが、この方が速く走れている人が多いのは結果として出ているんですよね。

2018-11-09

ウエイトをしたら速く走れるようになりますか?という謎の質問

件名の通りの話です。

ウエイトをしたら速く走れるようになりますか?

この質問はよく受けますが、返す答えは一つです。

何を質問しているのか分からない。

これです。これ以外の回答ができるとしたら、日常的にあなたがどのような行動をしていて、トレーニングをしているかを全て知っている人でしょう。日々一緒に練習している人か指導してくれている人、日常的に付きまとっている人しか答えられないような質問になりますね。後者だとちょっと怖いですね。本題に戻しますと、何を質問しているのか分からないことを聞いている、ということが分かっていないのだとしたら、それはそれで問題です。これを別の言い方に変えると、

走ると速く走れるようになりますか?

 と聞いているのと同じです。何を聞いているの?と返したくなると思います。この質問、どんなペースでどれくらいの距離を、どのようなrestで週にどのくらいの頻度で、という点を質問したいのかもしれませんが、何を聞いているのかとても曖昧というか、何を聞いているのかまったくもって意味不明です。ウエイトの話でも同様で、どのくらいの重量でどのような種目をrestどれくらいで何repを何setやるのかが不明です。ウエイトをやれば、というだけで共通理解ができることは絶対にありえません。狙いとなるポイントが異なればsetやrepは異なりますし、週間での頻度も違います。そうした点を理解せずにウエイトと一括りにしてしまうのはダメです。先日の日本陸連主催の中距離講習会においても、ウエイトトレーニングに要する時間や種目の話がされていて、S&Cコーチの方が全体の場で質問されていましたが、さて、何を狙いとしたウエイトなのか、という大事な確認をされた方はどれくらいいたのでしょうか。やってる種目だけでは不明な点です。ウエイトをやるということは~~だ、という固定観念で決めつけるのはよろしくないですので。

そんなわけで、

~~は必要ですか??

という質問は、質問のようであるけど何の意味も持たない言葉である、と思ってください。質問なんですが、というのであれば背景からそれなりに聞かないと答えられません。必要な情報を出してもらい確認する、ということにはそれなりの時間を要します。そこに対価というのが発生することになるわけでして、無料での質問に簡単に答えることができないのは、根掘り葉掘り細かく聞かないと答えられないから、その時間を作るならば他の仕事をやらないようにしないとダメだから、というのをご理解下さい。