何だかtwitterを眺めていて少し話題になっていたものですが、書こうと思って放置をすること一ヶ月くらいのネタですかね。乳酸値の測定をしてトレーニングに活用するというのは話自体は分かりやすいですが、
定義をしっかりしてから話をしろ
と思うここ数年です。お前は何を言っているんだ?というのはよく見かける案件ですが、話をする前提として同じ定義で話をしているかどうかの確認は重要です。件のLTに関しましては、
LT→乳酸値がやや急上昇を始める2mmolを超えた地点
LT→乳酸値が急上昇をしていく4mmolを超えた地点
この二つで明らかに話の食い違いをしているのを何度も目撃しております。LTを2mmol、OBLAを4mmolとして私は認識しておりますので、上ので言いますとLTは2mmolを超える地点であり、OBLAが4mmolを超える地点で話をしているのか確認をします。また、外国の選手がトレーニングにおいてLTと言っている場合も確認をします。本当に2mmolのことを言っているのか、と。 多くが4mmol近辺のことを言っているようですが、この辺りを確認もせずにLTが~、という話をするのは問題を引き起こします。あの選手がこう言っているから!!という話をされる方もいらっしゃいますが、あいつの定義はちゃんと確認してあるんだよね?してないのに何でLTが2mmolじゃないって分かるんですか?どう考えてもトレーニング負荷が低くor高くなり過ぎますよね、という返しをするのにも飽きてきました。この辺りの定義の確認という話は面倒くさいと思われる人も多いですが、自分が知っている知識のことで相手が話をしているという思い込みは大きな事故を招きます。相手が勘違いしていることもありますし。LTの話をする時は相手の言っていることの確認はとても大事です。
これと関連した話になりますが、LTでのペース走、OBLAでのペース走という話においても勘違いをしている人が散見されましたので少々。
LT(2mmol)の速度でずっと走り続けるとそのうちOBLAに達します
これです。この点を理解していない人も多く見られましたので。LTやそれ以下の負荷の低いペースで走り続けることによりエネルギーの減少などにより筋の出力が低下していくので、ある程度の距離・時間をこなしていくと速筋が動員されていき、血中の乳酸値が4mmolに達することとなります。同じペース、LTより遅い速度で走ると乳酸値が変化しないという勘違いをしないでください。筋肉が動かなくなってくる(疲れると呼ばれる状態、原因は様々な変化が体内で生じるから)ことで出力を高めるという事実を忘れ、長時間の遅いペースでも負荷は低いのが続くという誤った説明をされていますが、そのようなことはございませんので。長時間の運動の継続は速筋の動員を高めます。もちろん、低すぎて余裕があれば速筋の動員にまで時間を要しますが。この点の理解があれば、暑熱や高地でのトレーニングに対する理解も高まると思います。
2019-02-16
小中学生、高校生のトレーニングを考える時の基本
中学生のトレーニングに関して質問をよくされますが、小学生と高校生も基本となる点は同じですのでまとめたタイトルにしました。基本となる点、最も重視すべき大事な点は
「成長期を迎えていなかったら何をやっても大きな伸びは期待できない」
ということです。高校生を入れているのは、高校生でもまだ成長期のピークを迎えていない人は多いからです。誰もが中学生の時に成長期を迎えて成長のピークを迎え、心身が発達するわけではありません。高校3年生くらいになってやっと成長期のピークが来る男子はそれなりに多いです。どれだけトレーニングや食事などを完璧にしても、サッパリ筋肉が増えない、というのはあります。逆に小学生だけれども成長期を迎えピークも来ている、という人もいます。女子に多いわけですが、こうした子と成長期がまだまだの子を一緒にして筋肉を増やすような、心肺機能の発達を促すようなトレーニングを実施したところで、効果が期待できるのは成長期を迎えている方です。そうではない子たちにとっては負荷が過剰であり、苦痛でしかないものになります。もちろん、強くなれると信じてやっている場合も多いと思いますが、そうだとしても成長期という筋肉が、骨が、内臓が大きくなる時期を迎えていなければ効果は微々たるものです。ケガのリスクは高いのにあまり効果は期待できない。成長を抑制してしまうようなことを無理にやらせるよりは、適度な量のトレーニング、技術をメインとしたトレーニングを中心として楽しく過ごしてもらい、身体が本格的に大きくなり始めたら、筋肉が増えやすい状態になってきたなと考えて、そろそろトレーニングを本格化させようか、となれば良いと思います。ですので、小学生や中学生を指導するのであれば、身長の変化というのはかなり丁寧に見ておくべき要素だと思います。急激に伸びるようになってきたら、そこは確実に成長期を迎えていると判断できますので。ただ、遺伝的な要素か何かで身長があまり伸びない子もいますので、そうした子は毛が生えてきたかどうか、というのが判断材料になるかと思います。スネやヒゲの毛などでなんとなくは分かるかと思います。ただ、この辺も毛が少ない人はいるので絶対的な判断にはなりません。ですので、これだけ見ておけば良いということは言えませんが、まずは成長期が来ていなければ何をしても効果は薄い、成長期が来て身体がしっかりとしてくる時に向けて技術的、メンタル的な面を丁寧指導しながら待つ、というのをもっと考えてやっていければ良いのでは、と思います。無理をさせる必要は無いですし、選手にも指導者にも無駄な時間となってしまうので、成長期じゃないし練習は減らしておこう、学校の勉強をしっかりやろう、他の選手の動きを参考に技術を磨こう、という形でアプローチすれば次のステージにおいて役立てられる指導になると思います。
選手にはまだ次のステージがある
という点を意識して、自分のところだけでどうにかしようとせず、伸びる子は伸ばす、身体がまだまだの子はケガをさせないように、苦しくて楽しくないと思わせないようにして次の準備をさせる。そういった指導が出来れば良いと思います。技術的な面も筋力が不足していたら出来ないこともあると思いますので、上手く伸びしろを作ってあげる、気づかせてあげられるのが良いのでは、と。
「成長期を迎えていなかったら何をやっても大きな伸びは期待できない」
ということです。高校生を入れているのは、高校生でもまだ成長期のピークを迎えていない人は多いからです。誰もが中学生の時に成長期を迎えて成長のピークを迎え、心身が発達するわけではありません。高校3年生くらいになってやっと成長期のピークが来る男子はそれなりに多いです。どれだけトレーニングや食事などを完璧にしても、サッパリ筋肉が増えない、というのはあります。逆に小学生だけれども成長期を迎えピークも来ている、という人もいます。女子に多いわけですが、こうした子と成長期がまだまだの子を一緒にして筋肉を増やすような、心肺機能の発達を促すようなトレーニングを実施したところで、効果が期待できるのは成長期を迎えている方です。そうではない子たちにとっては負荷が過剰であり、苦痛でしかないものになります。もちろん、強くなれると信じてやっている場合も多いと思いますが、そうだとしても成長期という筋肉が、骨が、内臓が大きくなる時期を迎えていなければ効果は微々たるものです。ケガのリスクは高いのにあまり効果は期待できない。成長を抑制してしまうようなことを無理にやらせるよりは、適度な量のトレーニング、技術をメインとしたトレーニングを中心として楽しく過ごしてもらい、身体が本格的に大きくなり始めたら、筋肉が増えやすい状態になってきたなと考えて、そろそろトレーニングを本格化させようか、となれば良いと思います。ですので、小学生や中学生を指導するのであれば、身長の変化というのはかなり丁寧に見ておくべき要素だと思います。急激に伸びるようになってきたら、そこは確実に成長期を迎えていると判断できますので。ただ、遺伝的な要素か何かで身長があまり伸びない子もいますので、そうした子は毛が生えてきたかどうか、というのが判断材料になるかと思います。スネやヒゲの毛などでなんとなくは分かるかと思います。ただ、この辺も毛が少ない人はいるので絶対的な判断にはなりません。ですので、これだけ見ておけば良いということは言えませんが、まずは成長期が来ていなければ何をしても効果は薄い、成長期が来て身体がしっかりとしてくる時に向けて技術的、メンタル的な面を丁寧指導しながら待つ、というのをもっと考えてやっていければ良いのでは、と思います。無理をさせる必要は無いですし、選手にも指導者にも無駄な時間となってしまうので、成長期じゃないし練習は減らしておこう、学校の勉強をしっかりやろう、他の選手の動きを参考に技術を磨こう、という形でアプローチすれば次のステージにおいて役立てられる指導になると思います。
選手にはまだ次のステージがある
という点を意識して、自分のところだけでどうにかしようとせず、伸びる子は伸ばす、身体がまだまだの子はケガをさせないように、苦しくて楽しくないと思わせないようにして次の準備をさせる。そういった指導が出来れば良いと思います。技術的な面も筋力が不足していたら出来ないこともあると思いますので、上手く伸びしろを作ってあげる、気づかせてあげられるのが良いのでは、と。
2018-11-29
上下動や左右のブレが無い安定した走り?
下の直線と上の波線、力を生み出すのはどちらか、と聞かれた場合どうでしょう。
速く走ろうとする際に安定したものを求め、上下動や左右のブレが無いのが良いとされますが、人間の本来の動作においては確実に上下動や左右の動きは生じます。それを生み出さないように意識した結果が下の直線。大事なのは上下動や左右のブレをなくすことではなく、それが最も安定した波形に近づくことだろうな、と思う所です。直線の図を見て、力が生み出されているな、と思うことは無いと思いますし。波が生じる結果として力が生じる、というのは感覚的に分かるかな、と。走ることはボールが転がるのとは違う、という基本的な点を思い出せば、きれいな波形を作るイメージの方が良さそうだと理解頂けるかと思います。まぁこの波が正しいのかはよく分からないところですが、この方が速く走れている人が多いのは結果として出ているんですよね。
速く走ろうとする際に安定したものを求め、上下動や左右のブレが無いのが良いとされますが、人間の本来の動作においては確実に上下動や左右の動きは生じます。それを生み出さないように意識した結果が下の直線。大事なのは上下動や左右のブレをなくすことではなく、それが最も安定した波形に近づくことだろうな、と思う所です。直線の図を見て、力が生み出されているな、と思うことは無いと思いますし。波が生じる結果として力が生じる、というのは感覚的に分かるかな、と。走ることはボールが転がるのとは違う、という基本的な点を思い出せば、きれいな波形を作るイメージの方が良さそうだと理解頂けるかと思います。まぁこの波が正しいのかはよく分からないところですが、この方が速く走れている人が多いのは結果として出ているんですよね。
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