長距離を走る時にペースメーカーについていくことでタイムが出やすい、という話はよく聞きますが、それって何でなのか?という点に関する話はあまりないように思います。一定のペースで走ってくれることでリズムを作りやすく、上げ下げも無く無駄なエネルギーを使わないから、というのが主流な理屈かなと思います。もちろんそれもあるでしょうが、自分の目標とするペースの設定の人についていっても、そのペースで走り切れる練習をしていなかったら当然ながらタイムは出ません。ですので、普段の練習で子のペースならばこのタイムで走り切れると思うから設定はこれくらいで、というのを弾き出しつつ、それを出すにはすべてを使い果たさないと無理だから余計なことは一切考えたくない、という場合においては心を無にして、ただ前を追うのが理想になります。この点に関してはマラソンでいうとグリコーゲンの貯蔵の話になります。筋肉・脳・肝臓で主に貯蔵されるわけですが、脳のグリコーゲンが一定以上に減ってしまった時に生じるのがよく30㎞の壁と言われる現象であると指定されています。30㎞の壁が30kmで生じる人は、そこまでに至るペースが速すぎたということ、そしてグリコーゲンを使い過ぎたということが言えます。その中でも脳のグリコーゲンをレース中に考えたりして減らすことを少しでも抑える、とにかく何も考えずに走ることで余らせられると30kmの壁が来にくくなるわけです。
スタミナをアップする脳グリコゲンローディング - 筑波大学
https://www.tsukuba.ac.jp/public/press/120131.pdf
こうした点から考えると、ペースがどうなってるかなどを何も気にせず、ただ前の人についていくだけにすると持てる全ての力を発揮できる、となります。ただ最初の方でも述べたように、設定に見合ったトレーニングができているというのが条件になりますので。設定が速過ぎたりした場合は、ペースメーカーについていくことがむしろ逆効果になり、30㎞をもたずにグリコーゲンが大幅に減ってしまって壁が到来してしまうことになります。なお、対策としてはレース中に高糖質な摂取、とくに果糖が含まれたものが良いと考えられております。ブドウ糖のみの摂取よりは果糖も含まれるものを摂取すべきでしょう。そして、貯蔵量を増やしておくのが効果的ですので、レース中よりもレース前の方が大事です。
0 件のコメント:
コメントを投稿