長距離種目においては速くなるには走り込みが大事とされますが、この走り込みは距離と時間によってその量を見ることが多いと思われます。
月間600㎞走った
昨日は2時間走った
たくさん練習をやったという表現としては分かりやすい気がします。しかし、この量や時間がトレーニング効果に直結するかと聞かれると、とても疑問であると答えます。 600㎞走ったという中身を見ない事には意味がありません。例えば毎日20kmを3時間かけて走ったとして600㎞になります。時間に余裕があるから8時間かけて20㎞走りました、と言われた時に、すごい練習をしているなぁ、と思うことは無いかと思います。中身を見た時に、8時間で20㎞ということは1時間に2.5㎞。100mに2分近くかかっていることになります。遅い。普通に歩くよりも遅いスピードで走れるなんてすごい、という話にもなってしまう気がしますが、こんな練習をしてきた人がマラソンで2時間20分で走れると思いますか?と聞かれれば、多分無理とほとんどの人が答えることとなると思います。大事なのは量や時間ではなく、その中身、質になります。量をたくさんこなすことで質につながる場合もありますが、その場合もどのように量をこなしたかが大事になります。言い方を変えるならば、大事なのは「負荷」となります。スピードをどれくらいにするのか、地面は走りやすいアスファルトなのか、沈み込む緩い地盤の土や砂なのか、アップダウンはあるのか、気温は高いのか低いのかなどなど。距離や時間が無駄というわけではなく、その中身が伴っていなければ意味の薄いものになってしまう、という話です。ですので、ジョグをするにしても環境の悪い路面を選ぶ、反発が良くて前に進みやすいとされるシューズをなるべく使わない、走るのに重要な筋肉を意識して使うなどなど、細かい所を意識して負荷をちゃんと掛けることで、本当に必要なトレーニングが実現されてきます。ただ走った時間や距離を増やせば速く走れるようになる、ということはトレーニングを積んでいけばいくほど無くなっていきます。もちろん、無意識でそうした点をこなしてしまっている人はいますが。
速く走るために必要なのは走った距離や時間ではない。走った際にどれだけのトレーニング効果を生むことができたかである
ということです。
0 件のコメント:
コメントを投稿