速く走るためには腰を高くしろ、そういう指導はそこそこ各所で見かけるわけですが、元が明らかに落ちているという場合は問題であると思いますが、そうではないのに高くしろという指導をされているのは何でなのか。そもそもに腰が高いと本当に速く走れるのか。この点に関しては「腰が高いと一歩が広がるので速く走れる」という思い込みがあるのが問題だろうと思われます。ストライドが広がることで速く走れるという単純なことに落とし込んだ結果、ただ一歩を広げようとするわけです。残念ながら、これによって速く走れるようになるかは疑問です。
腰を高くして一歩を広げると何が起こるか?多くの人においては膝が伸び切った状態かほぼ伸びた状態で接地していきます。これは大きなブレーキを生じさせます。またつま先が上がって踵から接地し大きなブレーキを生み出した結果、力を上方向にしてしまい軽くジャンプします。これにより脚の回転が遅くなります。一歩を広げた結果、脚の回転が遅くなるので結果として走るのが遅くなります。また、膝が伸びた状態というのは力を地面に加えるのが難しいため、接地から離地までの間に不安定な状態に置かれます。これを防ぐために体幹を鍛えましょう、なんていう本末転倒な指導をしている光景も見られますが。また、膝関節が伸びていることで走るというよりは競歩のような動作になるので、どう考えても速く走れるフォームにはならないとイメージしてもらえるかと思います。なお、一瞬でのダッシュが必要な野球、サッカーなどの競技においては膝関節が適度に屈曲した状態の方が一瞬で爆発的な力を出せるので合理的です。これを実現するには適度に腰が落ちていると言われる状態が良いでしょう。この姿勢で長い距離を走れるか、となるとまた難しい話になりますが、練習をこなしていくうちに走れるようになる、というのが答えになるのかと思います。以上、腰が高いと速く走れるというのは勘違いだよ、というのを文字にして説明しようと思いましたが、よく分からんな、というので終わりそうな駄文でございました。直接実体験していただくのが手っ取り早いので、メールを頂ければ直接の指導にご対応いたしますので、ご連絡下さい。
参考
https://doi.org/10.5432/jjpehss.KJ00003392100
2020-01-12
2020年の都道府県対抗女子駅伝の雑感
箱根駅伝においてナイキの靴が猛威を振るいましたが、女子、特に中学生や高校生くらいの年齢の選手に関しては、あの靴を使いこなせる選手は多くないと思われますので、ミズノやアシックスでもよろしいかと思います。結局のところ、あのナイキの靴のポイントはどれくらいの圧力を掛けて地面を踏むか、という点が大事でありあるペースにおいて効果が発揮される、では無いと思われますので。自転車選手の皆様におかれましてはパワーメーターを理解されている方が多いと思いますので、あれを使って一定の圧を加えることが大事となります。その一定の圧というのもメーカーの実験において出されている圧力だろうと思われますので、そこは自分でいろいろ試してみるしかないと思います。従来の日本人に多くある、速く走るためにはとにかく地面に力を加える、というのをやってしまうと簡単に脚を壊してくれる靴でもあるようですので、かなり考えて使いこなせるようになる努力をすると、とても効果を発揮してくれます。ただ、筋力が重要となりますので、成長段階の女子選手の皆様におかれましては、使いこなせないのでは、と。それ以外の点において思った点としましては、異常にガリガリな選手がかなり減ったな、という点です。ひと昔前ならばデブとか言われてもっと痩せろ、ベスト体重は身長-110kgだ120kgだなどと言われてありえない減量を強いていたわけですが、そうしたものもかなりなくなってきたのかな、と。パワハラが問題視される時代ですし、選手の成長をちゃんと意識しての指導が増えてきたのか、生理がちゃんと定期的に来るような体重・体脂肪率にすることでホルモン分泌が適切になり強くなれることが理解されてきたのか。理由は様々あるかと思われますが、良い傾向だと思います。何年か前にも触れましたが、近年女子の長距離が弱くなってきていると言われ、実業団の指導が悪いと指摘をする人も多かったですが、中学や高校時代に無茶な指導をされた結果、骨がスカスカだったり疲労骨折を山ほど経験していたり、燃え尽きていたりという選手が大人になり、伸びしろが全くないから強くなれない、そんな選手を送られても伸ばすのは無理、というのが実業団の方にもあったわけで。2年かけて普通の状態に戻しても、そこまで結果を残せなかったらクビになってしまう確率が高いわけで。育成段階での失敗が大人での結果につながらないという、少し考えれば当たり前のことを、実業団の指導が悪いとしてしまうのはちょっと違うわけで。今回の都道府県駅伝のように、しっかりと身体作りをしている選手が増えていけば、また女子の長距離も社会人になってから活躍する選手が増えていくかと思います。市民ランナーとして活躍される人の中には、中学や高校時代に無茶な練習、体重管理をされてなかったから伸び続けている、という人も一定数おられますし。中学や高校時代にトップ選手として活躍できなくても、成長期が終わってから強くなっていくということを知っていれば、諦めずに競技を継続できるかと思います。目指しているのが高校での活躍なのか、その後の活躍なのか。本人の意識を指導者はしっかりと確認し、大きな可能性を秘めている選手を適切に指導していければな、と思います。
2019-08-08
途中のつなぎ、jogで取るかwalkで取るか
陸上競技の練習を考える時に重要なポイントの一つに
つなぎ
というものがあります。短距離であれ長距離であれ、インターバルトレーニングなどを実施する時に、400mのトラックをどう使うか?というのは重要であり、200mを走った後に200mw歩いてつなぐのが短距離、jogでつなぐのが長距離、といった暗黙の了解のようなものがあります。何でなのか?という点に関しての疑問を持ったことがある人は意外と少なく、長距離なんだからjogだ、という謎の一言で片づけられることも多いかと思います。
何でなのか?
これを考えずに練習の質を高めることはできないわけでして、jogでつなぐこと、walkでつなぐことにどのような利点があるのか、トレーニング効果をもたらすのか、ということを考えるのは重要です。練習において大事なのは速く走る時のタイムの設定よりも、このつなぎをどうするかという考えを持つ人もいるわけでして、ここを理解できるかどうかがトップクラスの選手になる、突き抜ける選手になる、という違いがあるような気がします。日本に来ているケニア人選手らを見ていると多くが歩いてつないでいるわけですが、ケニア人だから、というこれまた謎の理屈で片付けてしまっている場合もあるわけでして、とてももったいない。
前置きが長くなりましたが、結論を言ってしまえば「目的によってjogにするかwalkにするかが決まる」という当たり前のものになります。目的が何かという細かい点に関しては濁させて頂きますが、細胞を増やしたいのか?メンタルを鍛えたいのか?呼吸の感覚を鍛えたいのか?などなどあるかと思います。個人的には細胞を増やすためにトレーニングを考えるという細かさがありますので、walkでつなぐのは土台作りの時期、jogでつなぐのはそれを改良する時期としています。今の時期は夏の真っ只中でありjogでつなぐのは暑さで大きなダメージを受ける、無理をするよりは土台作り、と考える時期ですのでjogでつなぐことは少な目です。なお、jogでつなぐことによりエネルギー系としてはクレアチンリン酸の減少が生じ続けることになり、運動の継続が厳しくなるわけでして、その状態でスピードを出すのは無理です。そうした点を理解できると、jogでつなぎスピードを出すという練習には??????となる面があるわけです。運動生理学をしっかり学ぶと見えてくる、理解できるようになりますので、ぜひ勉強して頂ければ。
つなぎ
というものがあります。短距離であれ長距離であれ、インターバルトレーニングなどを実施する時に、400mのトラックをどう使うか?というのは重要であり、200mを走った後に200mw歩いてつなぐのが短距離、jogでつなぐのが長距離、といった暗黙の了解のようなものがあります。何でなのか?という点に関しての疑問を持ったことがある人は意外と少なく、長距離なんだからjogだ、という謎の一言で片づけられることも多いかと思います。
何でなのか?
これを考えずに練習の質を高めることはできないわけでして、jogでつなぐこと、walkでつなぐことにどのような利点があるのか、トレーニング効果をもたらすのか、ということを考えるのは重要です。練習において大事なのは速く走る時のタイムの設定よりも、このつなぎをどうするかという考えを持つ人もいるわけでして、ここを理解できるかどうかがトップクラスの選手になる、突き抜ける選手になる、という違いがあるような気がします。日本に来ているケニア人選手らを見ていると多くが歩いてつないでいるわけですが、ケニア人だから、というこれまた謎の理屈で片付けてしまっている場合もあるわけでして、とてももったいない。
前置きが長くなりましたが、結論を言ってしまえば「目的によってjogにするかwalkにするかが決まる」という当たり前のものになります。目的が何かという細かい点に関しては濁させて頂きますが、細胞を増やしたいのか?メンタルを鍛えたいのか?呼吸の感覚を鍛えたいのか?などなどあるかと思います。個人的には細胞を増やすためにトレーニングを考えるという細かさがありますので、walkでつなぐのは土台作りの時期、jogでつなぐのはそれを改良する時期としています。今の時期は夏の真っ只中でありjogでつなぐのは暑さで大きなダメージを受ける、無理をするよりは土台作り、と考える時期ですのでjogでつなぐことは少な目です。なお、jogでつなぐことによりエネルギー系としてはクレアチンリン酸の減少が生じ続けることになり、運動の継続が厳しくなるわけでして、その状態でスピードを出すのは無理です。そうした点を理解できると、jogでつなぎスピードを出すという練習には??????となる面があるわけです。運動生理学をしっかり学ぶと見えてくる、理解できるようになりますので、ぜひ勉強して頂ければ。
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