2020-01-12
2020年の都道府県対抗女子駅伝の雑感
箱根駅伝においてナイキの靴が猛威を振るいましたが、女子、特に中学生や高校生くらいの年齢の選手に関しては、あの靴を使いこなせる選手は多くないと思われますので、ミズノやアシックスでもよろしいかと思います。結局のところ、あのナイキの靴のポイントはどれくらいの圧力を掛けて地面を踏むか、という点が大事でありあるペースにおいて効果が発揮される、では無いと思われますので。自転車選手の皆様におかれましてはパワーメーターを理解されている方が多いと思いますので、あれを使って一定の圧を加えることが大事となります。その一定の圧というのもメーカーの実験において出されている圧力だろうと思われますので、そこは自分でいろいろ試してみるしかないと思います。従来の日本人に多くある、速く走るためにはとにかく地面に力を加える、というのをやってしまうと簡単に脚を壊してくれる靴でもあるようですので、かなり考えて使いこなせるようになる努力をすると、とても効果を発揮してくれます。ただ、筋力が重要となりますので、成長段階の女子選手の皆様におかれましては、使いこなせないのでは、と。それ以外の点において思った点としましては、異常にガリガリな選手がかなり減ったな、という点です。ひと昔前ならばデブとか言われてもっと痩せろ、ベスト体重は身長-110kgだ120kgだなどと言われてありえない減量を強いていたわけですが、そうしたものもかなりなくなってきたのかな、と。パワハラが問題視される時代ですし、選手の成長をちゃんと意識しての指導が増えてきたのか、生理がちゃんと定期的に来るような体重・体脂肪率にすることでホルモン分泌が適切になり強くなれることが理解されてきたのか。理由は様々あるかと思われますが、良い傾向だと思います。何年か前にも触れましたが、近年女子の長距離が弱くなってきていると言われ、実業団の指導が悪いと指摘をする人も多かったですが、中学や高校時代に無茶な指導をされた結果、骨がスカスカだったり疲労骨折を山ほど経験していたり、燃え尽きていたりという選手が大人になり、伸びしろが全くないから強くなれない、そんな選手を送られても伸ばすのは無理、というのが実業団の方にもあったわけで。2年かけて普通の状態に戻しても、そこまで結果を残せなかったらクビになってしまう確率が高いわけで。育成段階での失敗が大人での結果につながらないという、少し考えれば当たり前のことを、実業団の指導が悪いとしてしまうのはちょっと違うわけで。今回の都道府県駅伝のように、しっかりと身体作りをしている選手が増えていけば、また女子の長距離も社会人になってから活躍する選手が増えていくかと思います。市民ランナーとして活躍される人の中には、中学や高校時代に無茶な練習、体重管理をされてなかったから伸び続けている、という人も一定数おられますし。中学や高校時代にトップ選手として活躍できなくても、成長期が終わってから強くなっていくということを知っていれば、諦めずに競技を継続できるかと思います。目指しているのが高校での活躍なのか、その後の活躍なのか。本人の意識を指導者はしっかりと確認し、大きな可能性を秘めている選手を適切に指導していければな、と思います。
2019-08-08
途中のつなぎ、jogで取るかwalkで取るか
陸上競技の練習を考える時に重要なポイントの一つに
つなぎ
というものがあります。短距離であれ長距離であれ、インターバルトレーニングなどを実施する時に、400mのトラックをどう使うか?というのは重要であり、200mを走った後に200mw歩いてつなぐのが短距離、jogでつなぐのが長距離、といった暗黙の了解のようなものがあります。何でなのか?という点に関しての疑問を持ったことがある人は意外と少なく、長距離なんだからjogだ、という謎の一言で片づけられることも多いかと思います。
何でなのか?
これを考えずに練習の質を高めることはできないわけでして、jogでつなぐこと、walkでつなぐことにどのような利点があるのか、トレーニング効果をもたらすのか、ということを考えるのは重要です。練習において大事なのは速く走る時のタイムの設定よりも、このつなぎをどうするかという考えを持つ人もいるわけでして、ここを理解できるかどうかがトップクラスの選手になる、突き抜ける選手になる、という違いがあるような気がします。日本に来ているケニア人選手らを見ていると多くが歩いてつないでいるわけですが、ケニア人だから、というこれまた謎の理屈で片付けてしまっている場合もあるわけでして、とてももったいない。
前置きが長くなりましたが、結論を言ってしまえば「目的によってjogにするかwalkにするかが決まる」という当たり前のものになります。目的が何かという細かい点に関しては濁させて頂きますが、細胞を増やしたいのか?メンタルを鍛えたいのか?呼吸の感覚を鍛えたいのか?などなどあるかと思います。個人的には細胞を増やすためにトレーニングを考えるという細かさがありますので、walkでつなぐのは土台作りの時期、jogでつなぐのはそれを改良する時期としています。今の時期は夏の真っ只中でありjogでつなぐのは暑さで大きなダメージを受ける、無理をするよりは土台作り、と考える時期ですのでjogでつなぐことは少な目です。なお、jogでつなぐことによりエネルギー系としてはクレアチンリン酸の減少が生じ続けることになり、運動の継続が厳しくなるわけでして、その状態でスピードを出すのは無理です。そうした点を理解できると、jogでつなぎスピードを出すという練習には??????となる面があるわけです。運動生理学をしっかり学ぶと見えてくる、理解できるようになりますので、ぜひ勉強して頂ければ。
つなぎ
というものがあります。短距離であれ長距離であれ、インターバルトレーニングなどを実施する時に、400mのトラックをどう使うか?というのは重要であり、200mを走った後に200mw歩いてつなぐのが短距離、jogでつなぐのが長距離、といった暗黙の了解のようなものがあります。何でなのか?という点に関しての疑問を持ったことがある人は意外と少なく、長距離なんだからjogだ、という謎の一言で片づけられることも多いかと思います。
何でなのか?
これを考えずに練習の質を高めることはできないわけでして、jogでつなぐこと、walkでつなぐことにどのような利点があるのか、トレーニング効果をもたらすのか、ということを考えるのは重要です。練習において大事なのは速く走る時のタイムの設定よりも、このつなぎをどうするかという考えを持つ人もいるわけでして、ここを理解できるかどうかがトップクラスの選手になる、突き抜ける選手になる、という違いがあるような気がします。日本に来ているケニア人選手らを見ていると多くが歩いてつないでいるわけですが、ケニア人だから、というこれまた謎の理屈で片付けてしまっている場合もあるわけでして、とてももったいない。
前置きが長くなりましたが、結論を言ってしまえば「目的によってjogにするかwalkにするかが決まる」という当たり前のものになります。目的が何かという細かい点に関しては濁させて頂きますが、細胞を増やしたいのか?メンタルを鍛えたいのか?呼吸の感覚を鍛えたいのか?などなどあるかと思います。個人的には細胞を増やすためにトレーニングを考えるという細かさがありますので、walkでつなぐのは土台作りの時期、jogでつなぐのはそれを改良する時期としています。今の時期は夏の真っ只中でありjogでつなぐのは暑さで大きなダメージを受ける、無理をするよりは土台作り、と考える時期ですのでjogでつなぐことは少な目です。なお、jogでつなぐことによりエネルギー系としてはクレアチンリン酸の減少が生じ続けることになり、運動の継続が厳しくなるわけでして、その状態でスピードを出すのは無理です。そうした点を理解できると、jogでつなぎスピードを出すという練習には??????となる面があるわけです。運動生理学をしっかり学ぶと見えてくる、理解できるようになりますので、ぜひ勉強して頂ければ。
2019-05-17
世界リレー2×2×400を見ての感想
決勝の結果と400m、800mのPBを調べてみると、
1位アメリカ
CE'AIRA BROWN
2013年に56秒00、2018年に1分58秒01
DONAVAN BRAZIER
2016年に47秒02 2016年に1分43秒55
2位オーストラリア
CATRIONA BISSET
2019年に56秒52 2019年に1分59秒78
1位アメリカ
CE'AIRA BROWN
2013年に56秒00、2018年に1分58秒01
DONAVAN BRAZIER
2016年に47秒02 2016年に1分43秒55
2位オーストラリア
CATRIONA BISSET
2019年に56秒52 2019年に1分59秒78
JOSHUA RALPH
2013年に46秒34 2015年に1分45秒79
3位日本
AYANO SHIOMI
2018年に54秒32 2018年に2分02秒73
ALLON TATSUNAMI CLAY
2019年に47秒94 2018年に1分47秒51
4位ポーランド
ANNA DOBEK
2018年に54秒00 2018年に2分09秒44(200mは24秒76)
PATRYK DOBEK
2013年に46秒15 800mPBなし(200mは2015年に21秒38)
5位ベラルーシ
MARINA ARZAMASOVA
2012年に52秒81 2015年に1分57秒54(2015年世界選手権800mチャンピオン)
ALIAKSANDR VASILEUSKIY
2018年に47秒75 1分58秒16(2017年に室内で1分54秒87)
4位のポーランドは短距離選手を使い、5位のベラルーシは男子が短距離選手だったのかな、という具合です。日本は400のPBからするとSHIOMIは800が長い距離になっている可能性も考えられるのかな、と。ベラルーシのMARINA ARZAMASOVAがより速い400のPBなので、まだ持久力と呼ばれるものが不足しているだけとも考えられますが。
そんなことよりも本題として取り上げたかったのが、どうして400mなのに短距離選手を中心とするチームよりも800m選手二人をそろえたチームの方が速いのか、という点です。回復時間が~という意見もあるかと思いますが、それだと”みんな大好き余力理論”に疑問が出ませんか?46秒台の短距離選手が50秒で流して走ったら余力が残って回復なんてそんなに必要とせずに二本目にいけるんじゃないの、と。絶対的なスピードに対して遅く走れば余裕がぁーーー、余力がぁーーー、というのは中距離や長距離の人でよく聞くやつです。まぁあれで言うならウサイン・ボルトが世界最速のマラソン選手になるでしょ、というので大体片付けておりますので、余力理論に対する疑問なんてそもそも無いんですけれど。遠回りして再び本題っぽいところになるわけですけれど、
どうしてほぼPBが1秒差程度の選手で二本目を50秒程度のrestで走ると大きな差になるのか?
という疑問です。これに関してはいろいろと思うところはありますが、エネルギーの貯蔵量、一気に使う能力、この辺りから話をすることができるだろうな、と思います。細かい説明は省きますが、短距離の人たちが求める能力は一瞬にして全てを発揮する能力。それに対して中長距離、今回で言うなら800の人が必要とするのはジワっと出し続ける能力です。400mを走るに際してペース配分など考える所もあるでしょうが、全てを出し切るという点に長けていることが短距離との”1秒差程度”というのになるのかな、と。ここを埋めることができないから多くの800選手が400のタイムは速くないけど800になると速くなる、ということになるのだと思います。出し切れないけれど微妙な余力をそのまま次の2周目に使える。レース中にもある程度の回復を見せる。こうした能力の差がほんの数秒と思うが詰め切れない本の数秒の差になるのではないでしょうか。
要するに、中長距離選手がスプリント能力を重視する必要はそこまで無いよね
ということです。トップスピードが高いのは大事ですが、一瞬のキレというものはそこまで多分必要ないわけで。レース中に残された余力が最後のスピードとして出てくるわけで、大事なのはトップスピードを磨くことよりも、レース中に回復する能力、そもそもの貯蔵されるエネルギー量では、と。もし2×2×400に短距離選手が出た場合どうなるかというのは、エネルギー貯蔵は多いが回復力が低いので50秒程度のrestで回復しないために二本目は爆死する、ということになるかと思います。
今回、このリレーを見て思った大きなところとして他にあるのが、普段の練習におけるつなぎ、restの設定の仕方です。ここをあまり深く考えずに設定している人は多いと思いますが、ここはかなり重要なポイントとなってくる点です。短距離選手で400+400をやる人は少ないと思いますが、その理由としては実際のレースではほとんど起こりえない状態であり、トレーニング効果として期待できるものがよく分からないから、というのがあると思います。一方で800選手はそのまま自分の走る距離になるのでイメージもしやすい。じゃあ短距離選手がこの練習をやる意味は無いか、となると難しい話に。。。エネルギー面、細胞面などから考えたらやるべきではあるが、筋肉がブチッといくリスクも上がるので何とも。ペースを遅くすることで意味が薄くなってしまう点もあるしetc...
まぁその他にもいろいろと思いましたが、本当に400選手よりも800選手の方が速いの?46秒台のPBの人が50で余裕を持って走ったら二本目は上げられるんじゃないの?という疑問をどうにか解消したいところです。ボルトも400は45秒台のPBを持ってますけど、60秒のrestで二本目となったらどれくらい走れるのか。そんなことも思ったりしましたが、とりあえず練習などで考えるべき点を示してくれたリレーだったな、と。
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