Team inspire official: 3月 2019

2019-03-12

LTペース、OBLAペースにおける勘違い

何だかtwitterを眺めていて少し話題になっていたものですが、書こうと思って放置をすること一ヶ月くらいのネタですかね。乳酸値の測定をしてトレーニングに活用するというのは話自体は分かりやすいですが、

定義をしっかりしてから話をしろ

と思うここ数年です。お前は何を言っているんだ?というのはよく見かける案件ですが、話をする前提として同じ定義で話をしているかどうかの確認は重要です。件のLTに関しましては、

LT→乳酸値がやや急上昇を始める2mmolを超えた地点
LT→乳酸値が急上昇をしていく4mmolを超えた地点

この二つで明らかに話の食い違いをしているのを何度も目撃しております。LTを2mmol、OBLAを4mmolとして私は認識しておりますので、上ので言いますとLTは2mmolを超える地点であり、OBLAが4mmolを超える地点で話をしているのか確認をします。また、外国の選手がトレーニングにおいてLTと言っている場合も確認をします。本当に2mmolのことを言っているのか、と。 多くが4mmol近辺のことを言っているようですが、この辺りを確認もせずにLTが~、という話をするのは問題を引き起こします。あの選手がこう言っているから!!という話をされる方もいらっしゃいますが、あいつの定義はちゃんと確認してあるんだよね?してないのに何でLTが2mmolじゃないって分かるんですか?どう考えてもトレーニング負荷が低くor高くなり過ぎますよね、という返しをするのにも飽きてきました。この辺りの定義の確認という話は面倒くさいと思われる人も多いですが、自分が知っている知識のことで相手が話をしているという思い込みは大きな事故を招きます。相手が勘違いしていることもありますし。LTの話をする時は相手の言っていることの確認はとても大事です。

これと関連した話になりますが、LTでのペース走、OBLAでのペース走という話においても勘違いをしている人が散見されましたので少々。

LT(2mmol)の速度でずっと走り続けるとそのうちOBLAに達します

これです。この点を理解していない人も多く見られましたので。LTやそれ以下の負荷の低いペースで走り続けることによりエネルギーの減少などにより筋の出力が低下していくので、ある程度の距離・時間をこなしていくと速筋が動員されていき、血中の乳酸値が4mmolに達することとなります。同じペース、LTより遅い速度で走ると乳酸値が変化しないという勘違いをしないでください。筋肉が動かなくなってくる(疲れると呼ばれる状態、原因は様々な変化が体内で生じるから)ことで出力を高めるという事実を忘れ、長時間の遅いペースでも負荷は低いのが続くという誤った説明をされていますが、そのようなことはございませんので。長時間の運動の継続は速筋の動員を高めます。もちろん、低すぎて余裕があれば速筋の動員にまで時間を要しますが。この点の理解があれば、暑熱や高地でのトレーニングに対する理解も高まると思います。