中学生のトレーニングに関して質問をよくされますが、小学生と高校生も基本となる点は同じですのでまとめたタイトルにしました。基本となる点、最も重視すべき大事な点は
「成長期を迎えていなかったら何をやっても大きな伸びは期待できない」
ということです。高校生を入れているのは、高校生でもまだ成長期のピークを迎えていない人は多いからです。誰もが中学生の時に成長期を迎えて成長のピークを迎え、心身が発達するわけではありません。高校3年生くらいになってやっと成長期のピークが来る男子はそれなりに多いです。どれだけトレーニングや食事などを完璧にしても、サッパリ筋肉が増えない、というのはあります。逆に小学生だけれども成長期を迎えピークも来ている、という人もいます。女子に多いわけですが、こうした子と成長期がまだまだの子を一緒にして筋肉を増やすような、心肺機能の発達を促すようなトレーニングを実施したところで、効果が期待できるのは成長期を迎えている方です。そうではない子たちにとっては負荷が過剰であり、苦痛でしかないものになります。もちろん、強くなれると信じてやっている場合も多いと思いますが、そうだとしても成長期という筋肉が、骨が、内臓が大きくなる時期を迎えていなければ効果は微々たるものです。ケガのリスクは高いのにあまり効果は期待できない。成長を抑制してしまうようなことを無理にやらせるよりは、適度な量のトレーニング、技術をメインとしたトレーニングを中心として楽しく過ごしてもらい、身体が本格的に大きくなり始めたら、筋肉が増えやすい状態になってきたなと考えて、そろそろトレーニングを本格化させようか、となれば良いと思います。ですので、小学生や中学生を指導するのであれば、身長の変化というのはかなり丁寧に見ておくべき要素だと思います。急激に伸びるようになってきたら、そこは確実に成長期を迎えていると判断できますので。ただ、遺伝的な要素か何かで身長があまり伸びない子もいますので、そうした子は毛が生えてきたかどうか、というのが判断材料になるかと思います。スネやヒゲの毛などでなんとなくは分かるかと思います。ただ、この辺も毛が少ない人はいるので絶対的な判断にはなりません。ですので、これだけ見ておけば良いということは言えませんが、まずは成長期が来ていなければ何をしても効果は薄い、成長期が来て身体がしっかりとしてくる時に向けて技術的、メンタル的な面を丁寧指導しながら待つ、というのをもっと考えてやっていければ良いのでは、と思います。無理をさせる必要は無いですし、選手にも指導者にも無駄な時間となってしまうので、成長期じゃないし練習は減らしておこう、学校の勉強をしっかりやろう、他の選手の動きを参考に技術を磨こう、という形でアプローチすれば次のステージにおいて役立てられる指導になると思います。
選手にはまだ次のステージがある
という点を意識して、自分のところだけでどうにかしようとせず、伸びる子は伸ばす、身体がまだまだの子はケガをさせないように、苦しくて楽しくないと思わせないようにして次の準備をさせる。そういった指導が出来れば良いと思います。技術的な面も筋力が不足していたら出来ないこともあると思いますので、上手く伸びしろを作ってあげる、気づかせてあげられるのが良いのでは、と。